EndlessPain

■ (続)肺炎

珊瑚礁のカレーが世界一うまいと思う、俊です、こんばんにゃ。夏が近づくにつれ、メチャメチャ食べたくなるわけなんですけど、この店一人で行くのキツイから、食べに行けるようにとっとと彼女でも作っとくことにします。や、ココはスルーでいいです。

毎日のように入れ替わる看護婦の中で、初日に担当してくれた看護婦が僕の中ではかなりストライクでして。外見もさることながら、会話の節々に見せるチョイＳっ気もプラスポイント。実は、入院当初は担当が罰ゲームの結果で入れ替わるなんて聞いてなかったので、ちょっと期待に胸を膨らませていたわけです。

ところが、まー、次の日から担当がコロコロ代わるは、誰も見舞いには来ないは、着替えがないから服は臭くなるは、看護婦は夜這いに来ないは、で大変だったわけです。普通来るよね？夜這い。いや、夜じゃなくてもいいんだけど。「ココの具合はどうですか？」「あ、もうこんなになっちゃって・・・」みたいなの。ないの？最近の病院は。あー、確かに最初に夜這いコースのお願いはしてなかったけどね。先生も聞いてくれなかったし。夜這いコース付けとく？みたいなこと。

そんなこんなで、色気がまったくないまま退院という運びになったところで、珍しく僕の中でフラグが立ったんです。退院の日の担当が、初日の彼女だったら、自分から連絡先を教えてアタックしてみよう、と。僕、基本的にこの手のことは一旦ヤルと決めると必ずやり遂げるタイプで、あえて二つにわけるとするなら確実にストーカーに向いてる方のタイプなわけです。

で、早番の担当は大体朝食終わりぐらいに挨拶に来るわけですが、退院の日もいつものように看護婦が病室に来ました。コンコン。「失礼しまーす」「今日、午前中担当する○○です。俊さんは今日退院ですよね。よかったですねー」と、ここで初日の彼女が担当だったら劇的なんですが、残念、彼女ではありませんでした。

午前終わりぐらいに、退院 OK の最終決定を先生から受け、退院の準備をしました。彼女は担当にはなりませんでしたが、入院費を下ろしに銀行に行ったりとウロウロしてる中で、出勤していることは確認してました。よし、と。古典的だけど名刺の裏に連絡先を書いて渡せる機会があったら渡そう、そう思い、裏に連絡先を書いた名刺をそっとポケットに忍ばせておきました。

受付で入院費の会計も終わり、いよいよ退院となりました。5F のナースステーションで書類を渡し、一旦 6F の病室に行って荷物を持ち、後はエレベータで 1F に降り、帰るだけです。書類を渡しに 5F のナースステーションを訪れ、横目でナースステーションを見回しましたが彼女の姿は見当たりません。諦めて 6F に移動し病室で荷物を持ち、エレベータに乗り 1F に向いました。これで彼女に会うこともないのかと思った、そのとき！奇跡が起きるのです！！

エレベータが 5F で止まり、彼女が一人で乗ってきたのです！！

もう脳内はフル回転でした。が、意外と冷静でした。これはもう運命としか思えない。この最後の最後のタイミングで、二人きりという絶好のシチュエーションが訪れたわけです。「えっと、これ！俺の連絡先で、裏に携帯の番号とメールアドレス書いておいたから。今日、渡せないと思ってたんけど、すげー偶然。興味があったら連絡して。お願い！」「あ、えー？ホントだ。ありがとうございます。」エレベータは　3F で止まり、彼女は小走りでエレベータを降りていきました。



ま、彼女からの連絡は未だにナイですけど何か？

■ エピローグ

こんなベタな、連絡先を渡したりとか初めてですよ？まぢで。あのタイミングで、あのシチューエーションが訪れた時点で、すんげー運命感じたんだけどなー。わずか 5F から 3F までの 2 フロア移動する時間で、決断し、行動して、僕的には最大限のパフォーマンス見せたんすけど。彼女の方はまるっきり運命感じてなかったみたいです。くくー。つーことで、珊瑚礁に一緒にカレーを食べに行ってくれる彼女を募集中です。